Background
01背景と課題

意外性のある掛け合わせを企画の核にする

本件の出発点は、有名IPを用いた単なる展開案ではなく、その世界観を別の文化文脈に置き換えることで、新しい価値を生み出せないかという発想でした。着目したのは、日本古来の絵巻表現です。公開サイトでも、怪獣たちがもし数百年前の日本に現れ、その記録が絵巻として残されていたらという着想が、この企画の原点として語られています。
既存ファンにとって馴染み深いモチーフでありながら、見せ方はこれまでにない。その新鮮さを軸に、アートとして成立する企画へ育てていくことが最初のテーマになりました。

Organize
02企画成立への整理

熱量だけで終わらせず、成立条件を整える

アイデアとして魅力があっても、それだけでは企画は前に進みません。本件では、権利元にとって成立する内容であること、既存IPへの敬意が表現として担保されていること、さらに展示や販売まで含めた現実的な運営設計があることが必要でした。
そこで私たちは、企画の魅力を感覚的に語るのではなく、どのような文脈で受け入れられるのか、どんな見せ方なら純度を保てるのかを整理。アートとしての価値と事業としての成立性、その両立を企画段階で組み立てていきました。公開サイトでも、作品素材や制作思想まで含めて独自性の高いアートプロジェクトとして提示されています。

Solution
03施策設計

展示だけで終わらせない体験設計へ

本企画では、絵巻作品を見せること自体が目的ではなく、その体験をどう広げるかが重要でした。そこで施策は、展示、物販、特設WEBサイトの三層で設計。展示では、絵巻というフォーマットそのものの迫力と意外性を活かし、作品世界に没入できる場をつくることを目指しました。
物販では、鑑賞体験を持ち帰れる接点を設計。さらに特設WEBサイトでは、作品コンセプト、素材、作家情報、動画などを通して企画の背景まで伝えられる構成にしました。公開サイトでも、動画、絵巻について、作家紹介、関連情報など複数の入口が設けられ、作品理解を深める構成になっています。

Execution
04制作実行

表現の純度と受け手への伝わりやすさを両立する

制作フェーズでは、企画の魅力を損なわずに、初見の人にも伝わるかたちへ整えていくことが求められました。作品そのものについては、公開サイト上でも、自然素材から生み出した特殊な和紙や泥、鉱石由来の顔料などを用いた独自性の高い表現であることが紹介されています。
私たちはその背景を、展示空間やWEBの見せ方まで含めて丁寧に設計。ビジュアルの強さに頼るだけではなく、コンセプト、素材、作家性がひとつの体験として伝わるよう、情報整理とディレクションを重ねました。企画の熱量をそのまま押し出すのではなく、受け手が自然に価値を受け取れる状態へ整えていったことが、実行面での大きなポイントでした。

Impact / Next
05成果と展望

既存IPの新たな見せ方として体験価値を拡張する

本企画は、長く愛されてきた特撮IPを、単なる記念施策ではなく、新しいアート体験として提示した事例となりました。
公開サイトでも、古来のもののけと怪獣が融合した新解釈のアートプロジェクトとして紹介されており、作家や関係者コメントを通じて、その表現性や独自性が評価されています。
私たちにとっても、IPの扱い方、展示設計、物販設計、特設サイト運用までを横断して経験できた、実践的なプロジェクトとなりました。
ひとつのコンテンツを別の文脈へ翻案し、新しい接点をつくる。
その可能性を、企画と実装の両面から確かめることができた案件です。